SUNDAY WORKSHOPパドリング編、開催しました

9月7日(日)、SEA DAYSのワークショップ企画第三弾として「SUNDAY WORKSHOP パドリング編」を開催しました。

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今回は、SEA DAYSでOCEANプログラムを担当する佐藤和伯さん、さらに、パタゴニアオーシャン開設スタッフ/BEACH葉山アウトドアフィットネスクラブ開設スタッフの永井巧さんをスペシャルゲストとしてお招きし、海のあるライフスタイルの神髄に迫るトークセッション!

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永井さんのプレゼンテーションの最初に登場したのは、一枚の古い写真。なんと、昭和8年(1933年)に久里浜海岸で撮影された、アウトリガーカヌーです!
海外でアウトリガーカヌーを知った個人の方が所有していたものと推測されますが、こんな昔に、久里浜にアウトリガーカヌーがあったなんてビックリ!! 久里浜という親近感の沸く場所で撮影された写真から、永井さんのプレゼンテーションに一気に引き込まれていきました。

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アウトリガーカヌーの起源は諸説ありますが、古くは、島から島への移動手段として使われていたもの。「だからこそ、カヌーの形には、その土地の波の様子や、地形、水の環境が表れるんですね」と、永井さん。
近代的なアウトリガーカヌークラブのスタイルは、ハワイの伝説のサーファー・水泳選手であるDuke Kahanamoku(デューク・カハナモク)が、1908年に設立した「Outrigger Canoe Club」によって確立されたそう。
「カヌーは、いろいろな人との関わりがあって成り立つもの。レースもユースからシニアまで幅広い年齢層の人が楽しんでいますし、カヌーのメンテナンス、保管、カヌーを海に運ぶときでさえ、多くの人の協力が必要なんですね。だからこそ、クラブとして『どう地域に貢献するか』という視点を持つことが重要になると思います」

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さらに「館山の穏やかな海にポテンシャルを感じる」と、永井さん。「アウトリガーカヌーにとって、房総半島は未開拓の地です。アウトリガーカヌークラブが複数ある三浦半島と比べて、南北に海岸線が長いですから、風の影響や海のコンディションを見ながら、挑戦できることはいっぱいありますよ!」
現在、北条海岸をベースにアウトリガーカヌーを楽しむ、我らがSEA DAYS。北条海岸で経験を積んでいけば、いずれは、富津を目指したり、房総半島の尖端をぐるっと回ったり、大島から館山を目指す(!)ことも可能だそう。
「そのためにも大切なのは、一人ひとりのモチベーション。SUPや1人用のカヌーなどで海を楽しみ、水との関わりを深めていきましょう。その積み重ねが、風や波を味方につけていくこと、さらに地域の自然を知ることにつながります。アウトリガーカヌーって、地域とつながり、自分の限界を超える努力をすること。海に出ることで出合う景色から、自分自身のマップを作っていく楽しさを実感して欲しいです」

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さて、続いて、SEA DAYSではおなじみのインストラクター佐藤和伯さんのプレゼン。実は永井さんとは、ライフセービングの活動を通して、20年のお付き合いがあるそう。
「普段はTシャツ&水着の佐藤さんが、シャツに着替えて正装してる!珍しい!」とスタッフにからかわれてましたが(笑)、忙しい中、資料を準備していただいただけでなく、前日の「アウトリガーカヌーロングツーリング」の後も、遅くまで「どうしたら海の楽しさを伝えることができるかなぁ」と真剣にスタッフと語り合っていたのです。佐藤さん、ありがとうございます!

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「パドルを合わせるのが、アウトリガーカヌーの一番の醍醐味。SEA DAYSで僕がやろうとしているのは、海のプログラムを通して、家族のような絆を築くこと。そして、たくさんの笑顔をふやすことなんです!」という言葉に、参加者の皆さんが深くうなずいてます。だって、佐藤さんが担当する海のプログラムでは、知らない人とも仲良くなれるし、自然と笑顔が生まれてますもん。

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アウトリガーカヌーの国際大会への出場経験も豊富な佐藤さん、様々なレースの写真を紹介してくれました。「パドリングの時はこの写真のように、三角形を意識して。腕で漕ぐのではなく、背筋、腹筋、足を使って漕ぐことで、全身が自然と鍛えられるんです」

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佐藤さんがいつも言っているのは、「アウトリガーカヌーの後ろから見ていると、みなさんの性格がわかっちゃう」ということ。6人で力を合わせるアウトリガーカヌーは、各シートに役割があるんです。
「1番シートは、先頭でピッチとタイミングを刻むため、リズム感が必要で真面目な人が向いてます。2番シートのタイミングが合わないと、カヌー全体の漕ぎのタイミングが乱れることも。3番、4番は大柄のパドラーが向いてますね。5番も同じくパワーがある人、そして一番後ろのステアーのサポートの役割もあります」
そして、6番シートは「みんなの命を預かる」カヌーの舵取り役・ステアーズマン。ここを佐藤さんが担ってくださるから、初心者でもアウトリガーカヌーを安全に楽しめるんですね。

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最後は質問タイム。永井さんからは全国のアウトリガーカヌークラブの説明や、永井さんや佐藤さんが数年前にアウトリガーカヌーを日本に持ち込んだ時のお話も伺いました。日本各地で広がりつつあるアウトリガーカヌーは、2014年のブラジルパラリンピックの競技にもなっており、今後、オリンピック競技になる可能性も高いそうです。

なんと、6人乗りのアウトリガーカヌーは、日本でたった30艇ほどしかないんだそう!そのうちの1艇がここ、SEA DAYSにある。改めて考えてみると、すごいことですよね。
「オープンしてから4ヶ月経ちますが、SEA DAYSのような環境でアウトリガーカヌーが楽しめるのは、日本でも珍しいというか、ほかにないんです。当たり前じゃない環境がここにあるということ、そして、ここに集う人がクラブの雰囲気を作っていく。そのことを忘れず、みなさんと一緒にクラブを作っていきたいと思います」と、佐藤さん。参加したメンバーの方も、深くうなずいてました。

永井さん、佐藤さんの海に対する思い、「海の楽しさをたくさんの人に伝えたい」という熱い気持ちを感じた、あっという間の1時間。なかなか聞けないお話を通して、皆さんと有意義な時間を過ごすことができました。

SEA DAYSでは、これからアウトリガーカヌーの楽しさをプログラムを通して多くの方にお伝えするとともに、一般の方も気軽に参加できる今回のようなイベントを継続して開催していきたいと思っています。

■佐藤和伯 KAZUNORI SATO
小学生より水泳を始め、高校生まで競泳を続ける。高校卒業後入学した専門学校にてライフセービングに出会い、卒業後オーストラリアに1年間留学。帰国後ライフセービングオーシャン競技を中心に、オーシャンカヤック、アウトリガーカヌー等の大会に出場し、多くの大会で入賞を果たす。2007年千葉県館山に「TATEYAMA SURF CLUB」を有志と立ち上げ、現在もライフセービング、海の活動を中心に活動中。これまで得た経験と知識を元に、皆様の笑顔が増やすことが目標。

■永井巧 TAKUMI NAGAI
パタゴニアオーシャン開設スタッフ、BEACH葉山アウトドアフィットネスクラブ開設スタッフ。その他、湘南地域でライフセービングクラブの運営や、アウトリガーカヌークラブの立ち上げを行う。現在は、神奈川県逗子市で小学生を対象にした放課後自然教室「黒門とびうおクラブ」を主宰。