2024年1月から『パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション』では2つの新しい取り組みを行っていきたいと思います。今回はその2つの取り組みについてご案内したいと思います。
ナチュラルポジション獲得状況の見える化
これまでナチュラルポジションに取り組んできて、結局自分はどれぐらいナチュラルポジションを獲得できたんだろう?と疑問に思われている方もいるのではないかと思います。
SEA DAYSでは、体のどこにも力みなく自然体で足の裏に体を乗せる感覚で立てるようになることを、『ナチュラルポジション』と呼んでいますが、1つめの取り組みとして、その獲得状況を見える化するための『3つのチェックポーズ』と『ナチュラルポジション獲得チェック表』を作成しました。
3つのチェックポーズ
『オーバーヘッド』『ニーアップ』『バックエクステンション』がナチュラルポジションの獲得状況をはかる3つのチェックポーズです。
オーバーヘッドは、立った姿勢のまま両手を真上に伸ばすポーズで、4つの確認事項を設けています。
- 腰が反る事なく、 指先が真上に上がっているか
- 顔に腕が寄り添うように上がっているか
- 肘が自然に伸び、 首肩腰に力みがないか
- 指先の向きや高さが揃っているか
ニーアップは、片足立になりもう片方の足を床と並行に持ち上げるポーズで、同じく4つの確認事項を設けています。
- 体勢を崩さず上げた脚をキープできるか
- 軸足が自然に伸び、 力みなく立てているか
- 横から見た姿勢の崩れがないか
- 前から見た姿勢の崩れがないか
バックエクステンションは、立位から体を反らせながら後ろを覗いていくポーズで、3つの確認事項を設けています。
- 息を止める事なく視界を後ろに向けられるか
- 力みなく背骨全体を反らせる事が出来ているか
- 上体の捻じれがなく背骨を反らせているか
3つのチェックポーズは、毎月のクラスで実施し、確認事項をセフルチェックの上、『ナチュラルポジション獲得チェック表』にレ点を打ってもらいます。そして、全部のレ点が埋まることでナチュラルポジションを獲得したということになります!
最初は、確認事項が達成できているのか判断が難しいと思いますので、一緒に確認しながら進めていきたいと思いますが、出来ているかどうかを自分で評価する力を養うこともとても大事なことです。少しずつセフルチェックのコツも掴んでいきましょう。
また、一度レ点がついた項目もワークをサボっていると消えてしまいます。サボったことがバレるような仕組みにもなっていますので(笑)、家でもしっかりワークに取り組んでくださいね。
カラダの通知表でウイークポイントを知る
『3つのチェックポーズ』の何かができない場合、できない理由は、体のどこかにウイークポイントがあるからなのですが、もう1つの取り組みとして、自分の体のどの部位がウイークポイントなのかを視覚的に把握できる『カラダの通知表』を作成しました。
2024年は1年をかけて、以下の12個所の部位にアプローチしていきたいと思います。
上肢 | 鎖骨 肩甲骨 前腕 上腕 |
下肢 | 足部 骨盤 大腿 下腿 |
体幹 | 頭・頸部 胸郭 脊柱 腹腔 |
クラスでこれまで通り、ほぐすワーク、うごくワークに取り組んでもらい、その結果を以下にしたがって点数をつけてもらいます。
ほぐすワークで痛みや強いコリがある ※ある程度、動かすことができていれば2点でOK | 1点 |
痛みはないが、うごくワークでイメージ通りに動かせない | 2点 |
痛みもなく、イメージ通りに動かすことができる | 3点 |
点数が低いことが、その部位がウイークポイントであることを表すので、12ヶ月が終わった頃には、自分の体のどの部位にウイークポイントがあるのか、視覚的に全体を把握できるようになり、どのワークに重点的に取り組めばよいのかが分かるようになります。
また、各点数がついた場合、どのようにワークに取り組んで欲しいかもわかりやすくしました。
1点 | 当該月だけでワークを終わらせるのではなく、ほぐすワークを中心に、とにかく痛みやつよいコリがなくなるまではしっかりワークを続けてください。 |
2点 | ほぐすワークとうごくワークにバランスよく取り組み、イメージ通りに動けることを目指してワークに取り組んでみてください。 |
3点 | 基本的にはベーシックワークに取り組んでいただければ、良い状態をキープできるはずなので、該当のほぐすワーク、うごくワークは卒業です。 |
基本的にはこちらにしたがってワークに取り組むことでナチュラルポジションの獲得が進みますが、ワークに取り組む時間も限られていると思います。
時間のない場合は、1点の部位を優先してウイークポイントを解消していきましょう。
ナチュラルポジションの獲得を通じて、怪我なく、気持ちよくパドリングやランニングを続け、パフォーマンスを向上させてもらえればと思います。2024年も、引き続きしっかりと体と向き合っていきましょう!