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上手に「手を抜く」と腕はもっと自由に動くようになる

 

先月は足関節にフォーカスして、下肢のナチュラルポジションを深めていきましたが、4月から始まったナチュラルポジションも、ここまでで体幹、下肢、上肢のそれぞれ力みがちな筋肉を「ほぐし」、正しい「うごき」を習得するワークに取り組んできました。

ナチュラルポジションで目指すもの

ここまで、たくさんのことを学んできたので、ここで、ナチュラルポジションで目指すべきゴールについて改めてまとめてみたいと思います。

体幹=背骨を長くしなやかに動かす

体幹を鉄板のように固めるのではなく、「背骨を長くしなやかに使う」ことと「胸腔、腹腔を風船のように使う」ことでどんな体勢でも柔軟に形を変えながら安定する体幹を手に入れることが体幹部のゴールとなります。

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下肢=脚を根元から動かす

「股関節に乗る」ことと「足関節を調整役として使う」ことで力みなくバランスよく立てるようになり、「仙腸関節から動かす」ことで脚をダイナミックに大きく動かせるようになることが下肢部のゴールです。

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上肢=腕を根元から動かす

「胸鎖関節から動かす」ことで、下肢と体幹と上手に連携して上肢を動かせるようになることがゴールです。

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ナチュラルポジションの習得が進む=足裏に乗る感覚がつかめる

「背骨を長くしなやかに動かす」、「脚を根元から動かす」、「腕を根元から動かす」の3つが出来るようになりナチュラルポジションの習得が深まることで、立っている時や運動している時に「足裏に乗る」という感覚がつかめるようになってきます。「足裏に乗る」という感覚をつかむことができるとランニングやパドリングのパフォーマンスが飛躍的に改善されていきます。

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12月のナチュラルポジションのターゲットは「上手に手を抜く」です

さて、ナチュラルポジションの目指すべきゴールを整理したところで、12月のナチュラルポジションは「腕を根元から動かす」に影響が大きい前腕にターゲットをおいて、「上手に手を抜く」という新しいテーマに取り組んでいきたいと思います。

これまで「胸鎖関節から動かす」を通じて腕の根元から腕を自由に動かす感覚をつかんできましたが、腕の末端部分にある前腕に強い力みがあると、前腕が重りになって腕が自由に動きません。

また、前腕はスマホやキーボードを扱うことが多い昨今では、ほとんどの人が強い力みを抱えている部分でもあります。

パドリングはイメージがつきやすいと思いますが、ランニングにおいては直接運動に関わりがない部分のように思われるかもしれませんが、上記の通り、前腕に強い力みがあると、腕振りに大きな影響がでてしまいます。

「上手に手(の力)を抜いて」ランニングもパドリングもフォームの改善につなげていきましょう。

今月のターゲットとワーク

前腕


尺骨と橈骨の2つの骨から成り立っていて、手首や指先につながる筋肉の多くが2つの骨からのびている。さらに肘をまたいで上腕の筋肉は2つの骨で終わる。そのため手の力みは前腕の力みとなり、さらに腕の根本の力みにつながる。

母指球筋


スマホ操作で酷使される筋肉。固まることで手首の腱にも影響がでる。また撓側手根伸筋ともつながるため、指先から首もとまで広い範囲での力みにつながる。

橈側手根伸筋


パソコン操作で酷使される筋肉。固まることで手首と前腕の動きが制限され、筋肉同士のつながりにより間接的に肩や首の動きにも影響を与える。

「ほぐすワーク」は対象箇所の痛みやコリを感じなくなるまで、「うごきのワーク」は鏡の前でチェックしてイメージ通りに動かせるようになるまで続けてみてくださいね。

『足関節は調整役として使う』重心から動く感覚を深めていこう

11月の「ランナー・パドラーのためのナチュラルポジション」テーマは「足関節を調整役として使う」です。

これまで、下肢については、「仙腸関節から動かす」、「股関節に乗る」の2つのポイントに触れてきましたが、3つめのポイントとして「足関節は調整役として使う」について新しく取り組みたいと思います。

すこし難しいかもしれないのですが、パドリング、ランニングともに、もとても重要なテーマなので、最後まで頑張って読んでみてください。

ナチュラルポジションを運動につなげるには?

ここまでナチュラルポジションを深めてきて、力みなく立てるようになると、足裏に乗るという感覚が少しずつわかってきたのではないかと思います。

ここで、中学校で習った物理を少しおさらいです。

 

ナチュラルポジションで立っている時、体の中を流れる力の方向は素直にまっすぐ下に向かって地面に伝わります。

そして、地面からは伝わった力と同じだけの力が反ってきます。

作用、反作用と呼ばれるもので、この2つの力が釣り合うことによって、立つということが成立します。

では、次に前に進んでいくためにはどうすればよいでしょうか?

前進するために必要な力の伝え方

もうちょっと物理の話、続きます。がんばって!

地面からは加えた力と同じ力が反ってくるので、前進するためには進む方向と反対の方向に力を加えてやる必要があります。

 

力の方向を示している線は、体の重心と地面に接している足裏を結んでいます。

つまり、前進するためには足の裏と重心の位置に傾きを作って、力の伝わる方向を変えてやればいいということで、これが先月取り組んだ「重心から動く」ということに繋がっています。

足関節の役目

先月のテーマが「重心から動く」だったので、重心から動いて運動を作っていく感覚はみなさんつかんでいただけているのではないかと思います。

それを踏まえて、足関節の役目をみていてきたいと思います。

 

パドラーのみなさんは大きな波がきて突然ボードが傾いた状況を、ランナーのみなさんは走っていて何かを踏んづけたことを想像してみてください。

あらかじめ波が来ることや、何かを踏ん付けることを予測できていれば、ある程度、体が反応してくれますが、予期せずこのような状況になった場合、以下のように体が反応します。

  1. ボードが傾いたこと、何かを踏んづけたことを足の裏の触感として認識する
  2. 触感が脳に信号を送る
  3. 脳から各筋肉に適切な反応をするように命令が発せられる
  4. 各筋肉が動きバランスをとる

この反応の過程で、足裏に一番近く、バランスをとるのに重要な役目を果す足関節に強い力みがあると、適切な反応ができず、海に落水する、もしくは転んでしまうことになってしまいます。

 

パドリングもランニングも重心から動くという感覚がとても大切ですが、重心から動くというのは程度の差はあるものの、上記のようにバランスが崩れる状態が必ず発生します。

なので、足関節が運動の調整役として十分機能していない状態だと、無意識に転倒を恐れ、重心を崩したくないと体が反応し、質の高い運動の妨げになってしまいます。

先月のワークやパドリング、ランニング中に重心から動くことが苦手だと感じている方は、『足関節を調整役として使う』にウイークポイントがあるはずです。

今月のワークに取り組んで、重心から動く気持ち良く質の高いパドリング、ランニングを身につけていきましょう。

あと、SUPでバランスをとるのが苦手だという方には、今月のワークは効果てきめんです!

さぁ、ワークに取り組もう

というわけで、今月は「足関節は調整役として使う」ための、ほぐすワーク、うごくワークに取り組んでいきます。

足関節のナチュラルポジションを進めることで、重心から動くという感覚をよりブラッシュアップしていきましょう!

今月のターゲット

足関節

 

複数の骨の集合により成り立っているため、骨のアライメントが崩れやすい。足首をまたいで足指から脛まで、広い範囲での筋肉の影響を受ける。足関節の制限は関節的に膝関節や股関節へ影響を与えるため、文字通り下半身の「土台」となる。

長腓骨筋 後脛骨筋

 

どちらの筋肉も足裏のアーチの形成と脛と足首を安定させる働きがある。弱くなると足首が不安定になったり、偏平足など足裏の変形につながる。固くなるとスネの角度のコントロールが難しくなる。

ナチュラルポジションを前提としたランニングフォームを身につけよう

9月のスタジオクラスでは、ナチュラルポジションの基礎となるベーシックワークを深堀していきましたがどうだったでしょうか?

体を足裏に乗せるという感覚がつかめたらOK。そうでなかった方は、体のどこかにまだウイークポイントが残っているはず。

ウイークポイントを発見して、過去のマガジンを参考にして改善していけるといいですね。

10月から1月までの間、水曜no夜ランでランニングドリルに取り組んでいきます

  

SEA DAYSでは10月からランニングシーズンに入り、たくさんの方が若潮マラソンにチャレンジされますが、今年は水曜no夜ラン(グループラン)の前に少し時間をとってナチュラルポジションを前提としたランニングフォームの習得のためのランニングドリルに取り組んでいきたいと思います。

10月のランニングドリルでは、ナチュラルポジション(力みなく自然に立つ)を獲得することで得られた、足裏に体を乗せるという感覚をランニングの中でも感じとれるようにしていきたいと思います。

スタジオでは、基本的には体の移動がない立位のなかで足裏に体を乗せることを感じてきましたが、ランニングでは体は絶えず前方に進み続けます。

接地時に足裏に体に乗せることができるようになれば、フォームの中にいわゆる軸ができてきます。軸ができてくると、地面から帰ってくる地面半力を感じることができるようになりますが、ランニングで一番重要なのは、この地面半力をいかに受けつづけるかだと言っても過言ではありません。

進み続ける中で、着地の一歩一歩を力むことなく、自然に足裏に体を乗せるというのはなかなか難しいものですが、ランニングドリルのなかで習得を目指していきましょう。

地面半力を受ける感覚をつかむことはランニングの基礎であり最重要課題です!

10月のナチュラルポジションのテーマは重心から動くです。

ここまで重心を崩すとほんとうは倒れてしまいますが。。。(靴に仕掛けがあるとかないとか)

さて、10月のスタジオクラス「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」では、重心から動くをテーマにしていきたいと思います。

ナチュラルポジション=力みのない自然な姿勢 の獲得が進むと、足の裏に体が乗る感覚がつかめるようになり、立位での安定感を感じるようになってきているはずです。

この安定感をランニングやパドリングのフォームにつなげていく架け橋となるのが、重心から動かすという感覚です。

重心から動くという感覚は、すこしイメージしづらいと思いますので、一歩を踏み出す運動について、重心から動く場合とそうでない場合を比較してみたいと思います。

 重心から動かない場合

1.立位でのナチュラルポジションをとる

2.筋肉に力を入れて太腿もをあげ、片脚を一歩前に踏み出す

3.後方に残っている重心を、後ろに残っている脚で力強く蹴り上げると共に、前方に出した脚で引き付けることで一歩前に移動する

重心から動く場合

1.立位でのナチュラルポジションをとる

2.太腿前部の筋肉の力を抜きあえてバランスを崩す

3.バランスを崩すことで自然と重心が前方に移動し、バランスを整えようと脚が自然に前方に着地することで一歩前に移動する

この比較でわかる、大きな違いは運動の作り方です。

重心から動かない場合は、常に筋肉に【力を入れる】ことで運動を作っていますが、重心から動く場合はナチュラルポジションでできたバランスを筋肉の【力を抜く】ことで崩し、重心を動かすことで自然な運動を作っています。

【力を入れる】or【力を抜く】いずれでも運動を作ることはできるのですが、この2 つの運動の質の違いが、長い距離のマラソンにおいては大きな違いを産むことは簡単に想像できるのではないかと思います。

また、一見筋力勝負に見えるパドリングにおいても、筋力だけで力を産むのと、重心を崩しながら重力に自分の体重をあずけ力を産むのとでは、実は後者のほうが大きな力を産むことができます。

10月のナチュラルポジションでは、足の裏にしっかり乗せることができるようになって安定した体を今度はあえて崩すことで、重心から動く感覚をつかんでいきましょう。

重心から動く感覚がつかめるようになれば、ランニングもパドリングもこんなに気持ちよく体が動くんだということに驚くはずです!

2023年ランニングシーズン開幕。今年のスケジュールについて

 

9月の館山WANGUNがまだ終わっていませんが、10月からはいよいよランニングシーズンが開幕です。今年のランニングシーズンの「チャレンジイベント」と「ナチュラルポジションクラス」及び「水曜no夜ラン」の取り組みをまとめてみました。

ランナーのみなさんはもちろん、日頃スタジオだけという方も、若潮マラソンに向けて10km完走を目指せる内容になっていますので、ぜひご参加ください!

また、パドラーのみなさんも館山WANGUNを通じて体力づくりの重要性に気づかれるのではないでしょうか?荒天の際の代替アクティビティとして、日頃の体力づくりとしてランニングは最適なので、この機会に取り組み始めてみてはいかがでしょうか?

チャレンジイベントについて

例年、チャレンジイベントでは、若潮マラソンまでのトレーニングプランを提供させていただきそれを各自で実施していただきながら、ポイントポイントで集まって練習をするという流れでした。

ですが、フルマラソンの完走者もたくさんいらっしゃり、ウルトラマラソンへ挑戦をされている方々もいらっしゃる中で、今年は、一つの決まったトレーニングプランを提示させていただくのではなく、それぞれにあったトレーニングプランをみなさんがご自身で作れるようになることを目指してみたいと思います。

そこで、今年は、チャレンジイベントの初回で、3kmのタイムトライアルを実施しトレーニングの際の各自の最適ペースを把握していただくとともに、トレーニング理論の基礎をご紹介し、トレーニングプラン作成のお手伝いをさせていただきます。

もちろん、これまで通りキーポイントとなる、ちょっときつめのトレーニングはクラブとしてサポートさせていただきながら、ゼーハーを分かち合いたいと思います。(笑)

チャレンジイベントは初めての10kmの完走を目指すのにも、最適な内容となっていますので、走るのが初めてという方でも安心してご参加ください。

タイトル 内容
10月3kmタイムトライアル&トレーグ理論基礎講座3kmのタムトライアルで練習ペースを算出するとともに、トレーニング理論の基礎をご紹介。
11月館山3PEAKS(180分LSD)城山、崖観音、那古山の絶景が見える3つのピークをめぐる180分程度のLSD。10km完走を目指す方は城山1PEAKを目指しましょう。
12月5kmタイムトライアル&フォームチェック5kmのタイムトライアルでレース本番の目標タイムを算出するとともに、フォームを動画撮影してチェック。
1月エイド付き30kmペース走SEA DAYS前の周回コースを使ったペース走。エイドを設置して完走をサポートします。10kmの方は7.5kmのペース走を頑張りましょう。
2月花嫁街道トレイルランニング若潮が終わった後は楽しくトレイルランニング。今年は、走りやすい花嫁街道と、変化に富んだ高宕山を走ります。
3月高宕山トレイルランニング

「ナチュラルポジションクラス」と「水曜no夜ラン」について

テーマはナチュラルポジションとランニングフォームの融合

今年は新しい取り組みとして4月よりスタジオクラスの「パドラー・ランナーのためにのナチュラルポジション」をスタートしました。

ナチュラルポジションのクラスでは、力みない自然な姿勢(ナチュラルポジション)の獲得を目指して、毎月テーマを変えてワークに取り組んできましたが、獲得したナチュラルポジションがどのようにランニングフォームに影響するのか疑問に思っている方も多いかと思います。

そこで、今年のランニングシーズンでは毎週の水曜no夜ランで、ナチュラルポジションを前提としたランニングフォーム獲得のためのドリルを実施し、ランニングフォームをブラッシュアップしていきたいと思います。

キーワードは「地面反力」

詳しい内容はクラスの中でご説明していければと思いますが、キーワードは「地面反力」です!

まずは、スタジオクラスでナチュラルポジションを獲得することで、「足の裏に体を乗せるという感覚と、それによって地面から力が反ってくるという感覚」をつかめている(これが、地面反力を感じれているということです。)ことが前提となります。

「なになに?そんな感覚わかんないよ。」という方は、もう少しナチュラルポジションを深めておく必要がありそうです。

特に9月はナチュラルポジションのおさらいとして、基礎となる3つのベーシックワークに取り組んでいます。ベーシックワークがわかるようになると地面反力が何なのか体感できるようになるはずなので、ぜひナチュラルポジションクラスに参加いただき、ご自宅でもできるだけ頻度高く取り組んでみてください。

また、ランニングでは、接地中(ランニング中、足の裏が地面に接地してい間)にこの地面反力をどれだけ受けられるかということが何よりも大切になってきますが、スタジオでは基本的には移動のない立位で感じていた地面反力を、水曜no夜ランのランニングドリルを通じて、走るという移動の中で感じることができるようにしていきたいと思います。

以下は、「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」と「水曜no夜ラン」のスケジュールですが、「地面反力」の他に「重心を感じる」、「下肢の力を抜く」ということもテーマにしていく予定ですが、ランニングドリルの実施に先駆けて、1ヶ月前のナチュラルポジションクラスで必要な基礎を学べるような構成になっています。

また、ナチュラルポジションの各テーマは、ランニングだけではなくパドリングを行う上でも重要なものとなってきますので、パドラーのみなさんも是非ご参加ください。

ナチュラルポジションランニングドリル
9月ベーシックワークを深める
10月重心を感じ、動かす(仮)接地時にナチュラルポジションを作る
11月足首を抜く(仮)重心から移動する
12月着地と接地時の力を抜く
1月まとめ

走ることに苦手意識を持っていらっしゃる方も多いと思いますが、ナチュラルポジションを前提とした、力みのない自然な走りができるようになれば、ランニングはとても気持ちの良いものです。そして、最高の有酸素運動としてダイエットにも最適です!

今年こそ、走り始めてみませんか?不安な方は、いつでもスタッフにご相談ください!

ベーシックワークを深める

4月からスタートした「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」では、毎月、体の関節や筋肉について学びながら、力みのある筋肉をゆるめ、体の動きのイメージを刷新してきましたが、ナチュラルポジションというものがどういうものなのか、少しずつわかってきたのではないかと思います。

9月はこれまで学んできたことを踏まえながら、改めて「ベーシックワーク」を深めることでナチュラルポジションの獲得を進めていきたいと思います。

ベーシックワークと各月のワークの関係

 

ナチュラルポジションを獲得するためのワークとしては「ベーシックワーク」の他に毎月の「ほぐすワーク」と「うごくワーク」がありますが、ここで改めてベーシックワークの役割を整理したいと思います。

ナチュラルポジションとは、一言でいうと「力みのない自然な姿勢」ということになりますが、「ベーシックワーク」は力みのない自然な姿勢を獲得するための要素をギュッと詰めた基礎となるワークで、ある程度、ナチュラルポジションの獲得が進めば「ベーシックワーク」を続けるだけで 、ナチュラルポジションを維持することができるような内容になっています。

では、「ベーシックワーク」だけやっておけばいいかというとそうではなく、例えばある人は肩の周りに強い力みがあったり、またある人は股関節がうまく使えていなかったりと、個別に大きなウイークポイントがある場合は、ベーシックワーク自体をうまく実施することができません。

こういったウイークポイントを集中的に解決するのが、毎月のクラスで実施している「ほぐすワーク」と「うごくワーク」ということになります。

ここまで、ウイークポイントになりがちな箇所については毎月の「ほぐすワーク」と「うごくワーク」で触れてきましたので、ウイークポイントについてはある程度改善された状態なのではないかと思いますので、ここで改めて「ベーシックワーク」をしっかり習得していきたいと思います。

※ここが自分のウイークポイントだなと思うところは、引き続きこれまでの「ほぐすワーク」「うごくワーク」にも取り組んで行ってください。また、自分のウイークポイントがどこなのかわからない場合は遠慮なく土屋先生に聞いてくださいね。

「ベーシックワーク」はナチュラルポジションを獲得するためのとても大切なワークとなります。今後は毎回のスタジオ、SUP、ランニングのクラスで実施していきたいと思いますし、みなさんもSUPやランニングの準備運動として、あるいはご自宅での「ほぐすワーク」「うごくワーク」とセットにして、出来るだけ頻度高く実施するようにしてみてください。

ベーシックワークで習得してほしい感覚

赤ちゃんのように上手に足の裏に体を乗せましょう。

ベーシックワークは一見するととても単純な動きに見えるので、一般的なエクササイズとしてとらえると物足りないと感じるかもしれませんが、大事なのはベーシックワークを通じて感覚をつかんでいただくことです。

つかんでいただきたい感覚は以下の3つになります。

  • 全身の力みが抜けて、足の裏に体が乗っかっるという感覚
  • 足の裏がさらに床に乗っかることで、床から力が反ってくるという感覚
  • 床から反ってくる力を、力みなく自然に体に伝え動かすという感覚

ベーシックワークはそれぞれ腕を振る、脚を振る、背骨を波打たせるという内容になっていますが、いずれのワークでもこの3つの感覚をつかむことに集中してください。

少し難しく感じるかもしれませんが、この感覚がわかるようになればスポーツでよく使われる「軸」や「重心」と言う言葉の意味も自然とつかめるようになってきますし、これらの感覚自体がまさにナチュラルポジション(力みのない自然な姿勢)に必要な感覚となっています。

10月からのランニングシーズンに向けた展開

若潮の季節がやってきました。

SEA DAYSでは10月からランニングシーズンになり、毎月のイベントがSUPからランニングに変わります。

特に10月から若潮マラソンが開催される1月までは、水曜no夜ランで「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」と連動する形でランニングドリルを実施していきたいと思います。

これまで、ナチュラルポジションとランニングがどうつながっていくのか疑問に思われていた方もいるのではないかと思うのですが、ランニングドリルを通じて、ナチュラルポジションを前提としたランニングフォームの獲得を進めていきたいと思います。

具体的な進め方については別途マガジンにまとめたいと思いますので、もう少しお待ちください。

さぁ、ベーシックワークに取り組もう!

スタジオクラスではさらに詳細を説明させていただきますが、家でも実施できるように動画にしました。

ラジオ体操のように内容を覚えていただき、いつでも実施できるようにしていっていただければと思いますが、大切なのは漫然とやることではなく感覚をつかむことです。

ベーシックワークを深めて、パフォーマンスアップ&気持ちよくパドリング、ランニングできるようになっていきましょう!

脊柱は「長く柔らく保ちながら動かす」イメージを持つ

7月のナチュラルポジションのテーマは、「股関節に乗る」でした。股関節はよく聞く関節ですが、意外と自分の体のどこにあるのかを把握するのが難しい関節です。

股関節を感じることができるようになって、脚の骨の上に骨盤が乗る感覚がつかめるようになれば、パドリングもランニングも無駄な力を入れる必要がなくなり、軽く動けるようになってくるのでまだ感覚が掴めていない方は、ワークを続けてみてください。

さて、8月は脊柱にフォーカスしていきたいと思います。体の中心を通る脊柱は、上肢や下肢の力みに影響を受けて動かなくなりがちなのですが、これまでのワークで上肢、下肢の力みはだいぶ取れてきているはずです。

このタイミングで脊柱を「長く柔らく保ちながら動かす」イメージをつかんでいきましょう。

脊柱のナチュラルポジションとパドリング

 

背骨の動きとルパドリングの関係については、正しいパドリングができている人にとっては掴みやすいと思いますが、そうでない人にはわかりづらいかもしれません。

大きな違いは、体幹部を鉄板のように固めて肩と股関節で挟むようにパドリングしているのか、お尻周りで作った力を脊柱のしなやかな動きを通じて上半身に伝えるイメージを持てているかです。

8月のワークででつかんだ感覚をパドリング中にも持って、脊柱は固めず、四足動物が草原を走り抜けるときのような、しなやかな動きを目指していきましょう。

上半身に頼ったパドリングから卒業し、パドリング中の肩・腰の痛み改善、パフォーマンスアップにつながっていきます。

脊柱のナチュラルポジションとランニング

 

ランナーの皆さんにとって背骨の動きというのはあまりランニングに関係ないように感じるかもしれません。

しかし、先ほど、脊柱は上肢や下肢の力みに影響を受けやすいと書きましたが、逆に脊柱に力みがあると、上肢や下肢の力みの原因にもなってしまいます。

8月のナチュラルポジションで掴んだ感覚を大事に、脊柱を頭と首のつなぎ目から長く柔く保ちながら、腕や脚がぶら下がるようなイメージを持ってみてください。力みが抜けてスムーズな動きが生まれてくるはずです。

さぁ、8月のワークに取り組もう!

脊柱と一言で言っても、脊柱は、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨と連なるたくさんの骨で構成されています。

今回はその中でも、首と頭の付け根部分と胸椎の力みをとって、「長く柔らく保ちながら動かす」イメージを持てるようにしていきたいと思います。

特に、デスクワークやスマホの長時間の使用で首と頭の付け根部分に強い力みが生じて、脊柱の動きをロックしてしまっている方はとても多いので、8月のワークで解消していきましょう。

今月のターゲット

脊柱

人間を含む脊椎動物のからだの中心で、文字通り柱となる構造。手足とつながり運動のために使われる以外にも、食べ物の消化吸収や血液循環の働きなど、あらゆる生態機能と結びついている。

後頭下筋群

頭蓋骨と首をつなぐ、小さな筋肉の集まり。頭の位置や目の使い方からも影響の受けて固まる。デスクワーク、スマホやPCの長時間の使用により、現代人がもっとも固まりやすい筋肉の一つ。

僧帽筋(中部)

僧帽筋は首から肩、背中から腰、と背面の広い範囲にまたがって働く筋肉。固まる事で背骨の広い範囲の運動を制限することになる。今回は肩甲骨と背骨をつなぐ中部をポイントに働きかける。

SEA DAYSメンバーになると、スタジオでクラスを受講することができるので、動画だけではわからなかったこともスッキリ解決。一緒にヨガやSUPやランニングを通じて楽しく健康を手に入れましょう!

ご入会はこちらから

「股関節に乗る」イメージを持つ

「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」では、先月より下肢へフォーカスし6月は「仙腸関節を動かす」に取り組みましたが、みなさん仙腸関節を動かすイメージは持てるようになったでしょうか?

パドリングもランニングも上級者は必ずお尻が使えています。「仙腸関節を動かす」イメージを持てるようになると少しずつ尻を使うという意味がわかってきます。イメージが定着できてない方は引き続き、6月のワークにも取り組んでみてください。

さて、7月のテーマは「股関節に乗る」です。
股関節とは骨盤を形成する寛骨と、ふともも部分の骨である大腿骨がつながる関節ですが、みなさん股関節はどんな形をしていると思ってらっしゃるでしょか?

左の図のようなイメージになってませんか?

もしかすると、左の図のように真っ直ぐな骨の上に、骨盤という塊が乗っかっているというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?

でも、実際は右の図のように、脚の骨の上端が体の中心にむけて曲がり、先端が球状の突起になっていて、骨盤のくぼみにはまっているといった構造になっています。

このように少し複雑な構造になっていて、そもそもどのように大腿骨に骨盤が乗っているのかイメージが持ちづらいことに加えて、股関節はお尻周りの筋肉に囲まれ直接触ることができないため、感覚が掴みづらいという方が多いようです。

そこで、7月のワークでは股関節周辺の力みがちな筋肉をほぐすワークでゆるめていきながら、うごくワークで奥にある股関節を感じ、大腿骨の上に骨盤が乗る(股関節に乗る)感覚を身につけていきたいと思います。

股関節に乗る感覚がない方は、膝に力の力点を作ってしまいがちです。パドリングではお尻の力が使えないために上半身に頼ったフォームになってしまったり、ランニングでは膝下の小さい筋肉に頼る走り方になってしまい、ふくらはぎがつりやすかったり、ちょこまかとした走りになってしまう傾向があるので、しっかりと改善していきましょう。

6月の「仙腸関節を動かす」と合わせて、お尻使えるようにしていきましょう!

こちらはスプリントの写真ですが、パドリング、ランニングもお尻がしっかり使えることが重要です!

パドリング、ランニングでの変化

「仙腸関節から動かす」「股関節に乗る」イメージを持てるようになると下肢のナチュラルポジションの獲得が進み、

パドラーにとっては、

  • 上肢に頼ったパドリングからの卒業
  • パドリングにお尻の筋肉が使えるようになることで発揮できるパワーが一気に増大する
  • パドリングで生じる腰痛の改善

ランナーにとっては、

  • 大きな筋肉である臀筋の活性化に伴うパフォーマンスの大幅な向上
  • 膝や足首回りの怪我の改善
  • ふくらはぎがスッと細くなる
  • ドシドシとした走りが軽やかになる

といった変化が現れてきますので、どうぞご期待ください。

7月も土曜日13:30からのスタジオクラスに参加いただいて、より詳しい内容を理解していただきながら、動画を参考にご自宅でもワークに取り組んでいっていただければと思います。

今月のターゲット

股関節

人間の関節の中で最も大きな構造をもつ。股関節のまわりにある強力な筋肉が働くことで、体重を支え、運動の起点になることが両立出来るようになる。

中臀筋

骨盤と大腿骨をつなぎ、股関節を外側から安定させる働きをする。過剰に使われたり、使われなかったりとバランスが崩れると安定して立って動く事が難しくなる。

大腿筋膜張筋

股関節に乗る事が出来ていない状態で過剰に使われ、固くなりやすい。固まると「脚が棒のような状態」になってしまう一番の原因となる。

今月のほぐすワーク、うごくワーク

「仙腸関節を動かす」「股関節に乗る」イメージを持つ

4月からスタートした「パドラー・ランナーのためのナチュラルポジション」ですが、ここまで体幹のイメージを刷新することにフォーカスしてきましたが、6月からはいよいよ下半身(下肢)に移っていきます。

ランナーの皆様とっては下肢の動きがパフォーマンスに大きな影響を与えることはイメージしやすいと思いますが、パドラーの皆様にとっても上半身(上肢)に頼ったパドリングから卒業して、下肢も使った全身でのパドリングを身につけていくためにとても重要なポイントになるので、しっかり取り組んでいきましょう!

スポーツにとっての下肢の重要性

スポーツの場において下肢を上手に使いましょうとはよく言われることです。

例えば、野球の投手では腕の力に頼る投げ方を「手投げ」と呼んで、悪い投げ方とされていて、下肢と連動させた全身を使った投げ方を目指すように指導されます。

また、パンチで相手を倒すボクシングにおいても、いかに下肢の力をパンチに乗せることができるかが、強いパンチをうつコツとされます。

ただ、この下肢を使うと言うのが一体何をどうすることなのか???これが、とてもイメージしずらいのではないかと思います。

そこで、6月、7月で下肢を使うということを学び、実際にパドリングやランニングの中で活かせるようにしていきたいと思います。

キーワードは「仙腸関節から動かす」「股関節に乗る」

下肢を使うためのキーワードは2つ。「仙腸関節から動かす」「股関節に乗る」です。はっきりとしたイメージを持って、パドリングやランニングでの動きの中でも取り入れることができるように、2ヶ月に渡ってワークを実施していきたいと思います。

6月はまずは、「仙腸関節から動かす」からです。


仙腸関節とは背骨の下部である仙骨と骨盤の左右の腸骨で構成される関節です。仙腸関節自体を直接動かす筋肉が存在せず、動かないと考えられていた関節ですが、実は若干の動きを伴うことがわかってきています。

6月は、この仙腸関節を脚の付け根としてイメージし動かしていけるようにしていきます。

これまで股関節が脚の付け根だと思って動かしていた人は、脚の付け根のイメージが、より上部にある仙腸関節に変わるだけで、ダイナミックに力強く脚を動かせるようになることに驚くはずです。

さらに言うと、パドリングやランニングの中で、股関節を使えていない方が実はたくさんいらっしゃいます。

そういった方は、運動の支点が膝関節になっているのですが、膝関節から、股関節に動きの支点が変わるだけでも大きな変化が起こりますが、これまで膝関節を運動の支点としていた方が、仙腸関節を支点に動きを作れるようになれば、それはもう動きの質が画期的に変化していきます。

膝や肘といった関節と違い、自覚的に観察することが出来ない関節なので、最初はそもそもどこにあるのかすら把握するこことが難しいと思うのですが、ほぐすワーク、うごくワークを通じて関節の位置・動きを把握し、下肢の付け根のイメージ(付け根は仙腸関節から)を刷新していきましょう。

パドリング、ランニングでの変化

脚の付け根を仙腸関節として、「仙腸関節から動かす」イメージを持てるようになると下肢のナチュラルポジションの獲得が一気に進みます。
パドラーにとっては、

  • 上肢に頼ったパドリングからの卒業
  • 下肢の力が発揮されることによるパフォーマンスの大幅な向上
  • パドリングで生じる腰痛の改善

ランナーにとっては、

  • 大きな筋肉である臀筋の活性化に伴うパフォーマンスの大幅な向上
  • 膝や足首回りの怪我の改善
  • ふくらはぎがスッと細くなる
  • ドシドシとした走りが軽やかになる

といった変化が現れてきますので、どうぞご期待ください。

6月も土曜日13:30からのスタジオクラスに参加いただいて、より詳しい内容を理解していただきながら、動画を参考にご自宅でもワークに取り組んでいっていただければと思います。

今月のターゲット

仙腸関節

仙腸関節は文字通り仙骨と腸骨をつなぐ関節です。仙骨は背骨の末端部となり、仙骨の角度が背骨の湾曲に大きく影響します。腸骨は股関節の受け皿となり、腸骨の動きが股関節の動きに大きく影響します。 2つをつなぐ仙腸関節は下半身から背骨、上半身への橋渡し役となるため、わずかにでも動くことで全身の連動のキーマンとなります。

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鎖骨周辺の力みから胸腔の動きを解放する

4月のパドラー・ランナーのためのナチュラルポジションは「体幹のイメージを書き換える」ということで、お腹をカブトムシのように硬く固めるのではなく、風船のように使うことを学んだ上で、体幹のイメージを刷新していただいたのですが、皆さんどうだったでしょうか?

お腹に風船(腹圧)を感じることができれば、SUPもランニングも劇的にパフォーマンスが改善するとともに、怪我の予防にも非常に効果的です。

胸腔を動かすことは出来ましたか?

さて、4月のナチュラルポジションを通じて、お腹の周りの腹腔や、肋骨で囲まれる胸腔の動きを感じることが出来るようになっている方もいると思うのですが、もしかすると少し感じづらかったと言う方もいらっしゃるかもしれません。

特に、胸腔の動きが感じ取れず、肋骨って動くの?と疑問に思った方もいらっしゃったのではないかと思います。

その原因のひとつは、肋骨の上に乗っかっている鎖骨です。

このイラストを見てもらうとわかるかと思うのですが、鎖骨は肋骨の上に乗っかっているような構造になっています。

この鎖骨を動かす筋肉に強い力みがある場合、本来腕の付け根として自由に動くはずの鎖骨が固まってしまって、鎖骨と連動する肋骨の動きにも強い制限が生じてしまいます。

少しイメージしづらいかもしれないので、下の写真でご説明します。

余計わからないよと思われるかもしれませんが、、、4月は胸腔にもボールをイメージして下さいとお伝えし、しっかりワークに取り組んで下さった方は、胸腔のボール自体はちゃんと膨らんだり縮んだりできるようになっているはずです。

ただ、ボールに対して写真のように外部から力が加わっていると、どれだけ柔らかいボールでも動きづらい状態になってしまいます。

写真では、手のひらが外部からの力となっていますが、同じように鎖骨周辺の筋肉の強い力みが胸腔のボールに制限をかけている可能性があります。

なので、いくら胸腔がほぐれて動けるようになったとしても、鎖骨周辺の力みも改善されていないとイメージ通りに動かないと言うことが起こるんです。

このことはナチュラルポジションを習得していくにあたってとても重要です。一つの機能を改善したいとき、その機能は他の機能と連動しています。

なので、直接の機能を改善していくだけではなく、関連する機能にもアプローチしていくことが重要になってきます。ナチュラルポジションのクラスでは、毎月テーマを変えながら体、全体の機能を網羅できるように進めていくので、じっくり取り組んでいきましょう。

一通りの体の正しい機能が自分の中ではっきりとイメージできるようになれば、ナチュラルポジションが獲得できるとともに、劇的に動きの質が変わってくるはずです。

5月のナチュラルポジションは?

そこで、5月は引き続き、胸腔の動きの改善につながる鎖骨周辺の筋肉をほぐし、本来の機能を取り戻すことをテーマにしたいと思います。(可能であれば、4月のワークと並行して取り組んでいただくことで、腹腔、胸腔の動きがしっかり感じられるようになるので、ぜひ並行して取り組んでみて下さい。)

また、鎖骨は体幹の動きを腕に伝える重要な役割を担っていますので(これについては次回以降で詳しくご説明していきたいと思います。)、鎖骨の動きが改善すると胸腔の動きの改善とともに、腕の動きの改善にもつながります。

今月のワークでは、体幹上部と上肢付け根のナチュラルポジションの獲得が進み、

  • 柔軟に変化しながらも安定性を持った体幹の獲得(パフォーマンスの向上、故障の減少に効果抜群です!)
  • 上半身に頼ったパドリングからの卒業
  • ランニングの腕振りの改善
  • パドリング・ランニングともにお尻を使った動きの実現(なんで?と思われるかもしれませんが、体幹を通じた上肢と下肢連動性については、おいおいお話していきたいと思います。)

といった変化が現れてきますので、どうぞご期待ください。

5月も土曜日13:30からのスタジオクラスに参加いただいて、より詳しい内容を理解していただきながら、動画を参考にご自宅でもワークに取り組んでいきましょう!

今月のターゲット

鎖骨

腕の一番根元の骨で、関節として唯一胴体とつながる。腕の動きだけでなく、胸や背中、首と上半身の機能全体に影響を与えるキーマン。

胸鎖乳突筋

鎖骨と胴体をつなぐ関節につく筋肉。頭部にもつながるため、鎖骨の動きだけでなく、固まることで首や頭の動きの制限(スマホ首)にもつながる。

三角筋(全面)


鎖骨と上腕をつなぐ関節につく筋肉。鎖骨(腕の根元)が動かなくなったことで酷使されることが多い。固まることで、より鎖骨の動きを制限する負のループにハマる。

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体幹のイメージを書き換える 〜カブトムシではなく2つの風船〜

4月のパドラー・ランナーのためのナチュラルポジションのテーマは「体幹のイメージを書き換える」です。

みなさんは体幹という言葉にどんなイメージをお持ちでしょうか?体幹という言葉はあまり聞くことがなかった言葉ですが、最近の体幹トレーニングの流行とともに一般的にも使われるようになってきました。

なので、体幹というとトレーニングという言葉をセットで想起される方も多く、良い体幹とは腹筋や背筋を鍛えて、筋肉を強く固くすることだと思ってらっしゃる方も多いのではないかと思います。

4月のナチュラルポジションでは、そういった体幹のイメージを書き換えていき、運動の質を根本から変えていきたいと思います。

正しい体幹の構造とは

力みのない自然な姿勢であるナチュラルポジションを獲得するには、体の中でも強い構造物である骨格に、立つという仕事をやってもらうことがとても重要です。

ですが、この骨格図をみてもらってもわかるようにお腹の部分には背骨が一本通っているだけで、同じ体幹部の肋骨周りと比べても前面を支える骨がなく少し不安定な感覚を覚えるのではないでしょうか?

そこで、まずはこのお腹周りがどんな構造になっているかから初めていきましょう。

お腹の周りはカブトムシ?それとも風船?

体幹トレーニングという言葉のイメージから、お腹周りについては、周辺の筋肉である腹筋や背筋を鍛えて強く固めることをイメージされる方が多いと思います。

確かにお腹の周りをカブトムシのように硬い外郭で覆われた構造にすることで非常に強い体幹を作ることができるのですが、それは外郭の形が変形しない前提でと言うことになります。

本来、体幹は運動に合わせて屈曲したり、後ろに反ったり、またはねじれたりと様々な動きを発生させるのですが、お腹をカブトムシのような硬い外郭で覆ってしまうと、その形が変化した際に強さを失ってしまい、様々な運動に柔軟に対応することができなくなってしまいます。

そこで大事になってくるのが、お腹に風船をイメージすることです。一見柔らかく不安定に見える風船ですが、しっかりと膨らませることで内から空気圧がかかり(この空気圧のことを内圧といいます。)安定した円形の構造になります。

風船は、仮に外から力がかかったり、少しねじったとしても外見の形はかわるものの、内圧は一定にかかり続け、形の変化に柔軟に対応しながら、安定性を保ち続けます。体幹はこの風船構造によって様々な運動に対応しながら柔軟に変化し安定性を保つことができるようになっているんです。

体幹には2つの風船がある

また、この内圧は呼吸によってもたらされるのですが、実は呼吸の仕組みの中心となる風船が肋骨で囲まれている胸の周りにもう1つあります。

呼吸は、胸のまわりにあるもう1つの風船が膨らむ時に大気中から空気が肺に吸い込まれ、風船がしぼむことで肺から大気中に吐き出されるという仕組みになっています。

胸周りの空間のことを胸腔、お腹周りの空間のことを腹腔と言いますが(胸腔と腹腔はナチュラルポジションで大事なワードになるのでしっかり覚えてください!)、胸腔の風船と、腹腔の風船は互いに影響を与え合い、胸腔の風船が膨らむと同時に腹腔の風船もふくらむことになります。

この胸腔と腹腔のふくらみあるいはしぼみは本来連動する運動なのですが、人によって様々なパターンが癖となって定着してしまい上手に機能しなくなっていることが大変多いです。

よくあるパターンとしては、肋骨周りの筋肉に常に強い力みが発生し胸腔が固まってしまい、腹腔だけが動いているというパターンがあったり、逆にお腹周りの筋肉がとても固く、胸腔だけが動いているというパターンがあります。また、中には、両方が固まってしまっていて、呼吸そのものにも大きな制限がかかっているような場合もあります。

4月のナチュラルポジションでは、こういった間違ったパターンを改善するために、まずは体幹の中でも胸腔にフォーカスし、ほぐしのワークでは腰方形筋、前鋸筋をほぐしていき、うごきのワークでは胸腔を構成する肋骨と背骨の正しい動きを取り戻すワークを実施していきます。

腰方形筋

横隔膜と大腰筋(腰と脚をつなげるインナーマッスル)につながる筋肉。間接的に呼吸と腹圧に影響します。

前鋸筋

肩甲骨の安定に関わる筋肉で、固くなることで前肩→猫背→胸郭の固まることにつながっていきます。また、胸郭が固くなることで呼吸に悪影響がでてきます。

ワークをしっかり実践していただくことで、運動の質が根本から変わっていき、具体的には

  • 動きの中での安定性の向上
  • 上肢と下肢の自由度が増し、大きな力を生み出すことができるようになる
  • 下肢と上肢の動きが体幹を通じてスムーズに連携でき、効率的に力を発揮することができるようになる

といった変化が現れてきます。

一般的な鍛えるというイメージとは違うアプローチになりますが、運動の質を根本的に変えるような効果が期待できますので、クラスにも積極的にご参加いただき、ご自宅でもしっかりと取り組んでいただければと思います。

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